映画原作の一部紹介 トレインスポッティング

映画を好きになると、その原作も見てみたくなるものです。
トレインスポッティングの小説はかなり激しい内容で、よりディープです。

 シックーボーイは、うわごとのようにつぶやいていた。目がぎょろりと飛び出し、リースーウォークの方を見ようと伸ばしな目の筋肉が盛りあがる。
 やっと一台見えてきた。俺だちより先に、シェルスーツの上にボマージャケットを着た連中がタクシーを待っていた。だが、シックーボーイはそいつらに気づいていないらしい。通りのど貞ん申に突進すると、声を張り上げた。
「タクシーー!」
 「おい’・ 何やってんだよ」黒と紫と水色のシェルスーツを着た角刈りの男が叫んだ。
 「引っ込んでろ。槞たちが先に待ってたんだ」シックーボーイはそう怒鳴り返し、タクシーのドアを開けた。
ほら、もう一台きたぜ‘そう言って、通りを近づいて
 「ああ、そうだよ、怖えよ。ひとりのときに、あのシェルスーツ軍団に襲われたらな。俺がシャンクロードーフアッキンーヴァンーダムだとでも思ってんのかよ。くそったれ、ついでにおまえもくそったれだ、サイモン」
 俺がマジだってことをわからせようと、わざと「サイモン」と呼んでやった。「サイ」でもシックーボーイでもなく、な。
 「俺は修道院長に会いたいんだよ。他の野郎も何も、気にしてるひまはねえ。わかったか」やつは人差し指を自分の唇につきつけ、ぎょろりと俺を睨みつけた「サイモンは、しゅうどういんちょうにあいたい。俺の言うことをちゃんと聞いてろ」
 シックーボーイはそう言って前を向くと、神経質に指先で膝をとんとんと叩きながら、運転手の後頭部をじっと見据えた。もっと飛ばせと念じてでもいるんだろう。
あの中にマクリーンがいたんだぜ。チャンシーの弟だよし俺は言った。
 「それがどうした」シックーボーイはそう答えたが、不安は隠しきれていなかった。つマクリーンなら知ってる。
チャンシーは悪いやつじゃない!
 「弟を怒らせちまったんだ、そうとも言い切れないだろ」

Tシャツも見てね。