トレインスポッティングの原作もチェックしよう

trainspotting101 (9)

トレインスポッティング原作小説は映画より過激です。
映画は二時間に収めなきゃいけないので小説と比較するとはしょっている部分も多々あります。
トレインスポッティングTシャツも忘れずに。

婆さんの後頭部に視線をざりざりとねじこんでやった。脳出血か心臓発作でも起こしてくれりやいい。
途中で考えるのをやめた。ほんとにそんなことになったら、よけい遅くなるだけじャないか。それに、この婆さんはゆっくりと苦しみながら死ぬべきなんだ。俺に与えた苦痛を償うために。婆さんが一瞬のうちに死のうものなら、世間の奴らに騒ぎたてる.
連中はきっかけさえあれば騒ぐ。そうだ、ガンなららちょうどいいだろう。婆さんの中で悪性のガン細胞が成長し、増殖すればいいと願った。細胞が増殖していくのを感じさえした……だが、増殖しているのは、俺のからだの中でだった。俺はもうくたくただっだ。婆さんへの憎悪を失っていた。究極の無明心だけがあった。婆さんはもう、瞬間意識の外ヘいた。
 俺の頭はだらんと垂れていた。ときおり勢いよく飛び跳ねる。そのうち、肩から吹っ飛んで、前に座ったうざったい婆さんの膝に着地しちまうんじゃないかと思った。
俺は肘を膝にのせ、頭を両手で抱えた。今度は、降りるはずの停留所を通りすぎそうになる。いいね。力がどっとみなぎり、俺はショッビングーセンターの向かいのペニーウェルーロードの停留所でバスを降りた。道路の分離帯を渡りショッピングセンターを。突っ切る。
ノートスターは自りもかかってやっとドアを開けた。しかも、俺が家の中に足を踏み入れるよりも前から、やつは俺をいびりはじめた。俺を迎えた声には、温かみなんかかけらも感じられなかった。
「元気か、レンツ」
「まあまあだよ、マイク」
 やつは俺を「マーク」ではなくレンツと呼び、俺はやつか「ノリー」ではなく「マイク」と呼ぶ。そう、支配するのはむこうなんだ。ゴマをすっておいた万が得策だろうか。とりあえずはそのようだ。
フォレスターがそっけなく。肩をすくめた。俺は従順にやつのあとをついていった。
 ソファに腰をドろす。となりには、脚を骨折しているらしいデブの女が座っていた。ギブスをした脚をコーヒーテーブルにのせている。汚いギプスと桃色のパンティの間に、白い肉が盛りあがっているのが見え、胸が悪くなった。びろんと伸びたギネスービールにおっばいがのっかっていて、ペストらしき茶色のが白い贅肉を必死に押さえこもうとしていた。ブリーチした油染みた髪の根元には、灰色がかったさえない茶色の毛が生えてきていた。